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GOT(AST)値 ・GPT(ALT)値

ここでは、肝臓検査で重要な2つの数値「GOT(AST)/GPT(ALT)」と、それぞれの数値を下げるための有効な手段について解説しています。

肝臓の検査数値「GOT(AST)/GPT(ALT)」とは

GOT値とGPT値は、それぞれ肝臓検査で重要とされる数値です。

近年、GOTは、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーセ)という名称に、GPTも、ALT(アラニン・アミノトランスフェラーゼ)という名称に変更されつつありますが、ここでは旧来のGOT、GPTという表記で統一したいと思います。

GOT値もGPT値も、アミノ酸を作り出す酵素の一つです。

これらは肝臓に多く含まれているのですが、肝機能に障害があると血液中に流れ出すため、沈黙の臓器とも呼ばれる肝臓の異常を早期に発見するために重要な指針とされています。

これらの数値は、血液検査でわかります。

基準値とされるのは、以下の通り※IU/Lというのは1リットル換算したときの濃度の単位です。

  • GOT:35 IU/L以下
  • GPT:35 IU/L以下

これより上昇すると、数値によりさまざまな病気が疑われます。

ただし、GOT(AST)、GPT(ALT)は、肝細胞が現在どの程度壊れているかという数値で、その分、肝臓がきちんと再生できていれば機能低下とは言えません。

これらの数値は重要視されますが、それだけで重病とは判断せず、全体的な評価で肝臓の機能低下を確かめます。

健康診断で異常値が出た場合は、早めに詳しい検査を受けてみるべきでしょう。

GOTとGPTの異常な数値

血液検査でGOT・GPTに異常な数値が見られた場合、以下のような病気が疑われます。健康診断などで異常値が現れた場合は必ず再検査を受けるようにしましょう。

GOTとGPTの異常値から推測できる病気

  • GOT 500IU/l以上・・・心筋梗塞・急性肝炎
  • GPT 500IU/l以上・・・急性肝炎・慢性肝炎の急性増悪
  • GOT 100~500IU/l・・・急性および慢性肝炎・アルコール性肝障害・肝臓がん・心筋梗塞
  • GPT 100~500IU/l以上・・・急性および慢性肝炎・閉塞性黄疸
  • GOT 33~100IU/l・・・慢性肝炎・肝硬変・脂肪肝・アルコール性肝障害・心筋梗塞
  • GOT < GPT・・・慢性肝炎・脂肪肝
  • GOT > GPT・・・肝硬変・アルコール性肝障害・肝臓がん・心筋梗塞・進行性筋ジストロフィー症

「GOTとGPTの異常値で分かる病気」の症状について

血液検査でGOT・GPTの異常が見られた場合、下記のような症状が現れている可能性があります。一体どのような病なのか、具体的な症状と治療法について見ていきましょう。

急性肝炎

急性肝炎は、「ウイルス性肝機能障害」とも呼ばれる、ウイルス感染が原因の病です。

感染する肝炎ウイルスの種類は現在までA・B・C・D・Eの5種類が確認されています。治療によってほぼ改善しますが、1~2%の確率で劇症化し、命を落とす恐れもあります

症状:吐き気・嘔吐・全身の倦怠感・食欲不振・発熱・黄疸

検査:血液検査

治療:基本的に投薬などは行わず、栄養補給などの点滴により自然治癒させる

※ただし、B型の劇症肝炎の場合はインターフェロン注射と核酸アナログ製剤を使用。C型肝炎の場合はC型用インターフェロンと直接作用型抗ウイルス薬によって治療します。

劇症肝炎

劇症肝炎とは、急性肝炎の中でも特に症状が重い肝炎のことです。

急性肝炎同様にウイルス感染が主な原因であり、国内ではB型またはA・B型以外のウイルスが劇症肝炎の原因となります。

強い薬剤の副作用や薬剤の多量摂取、またはアレルギーによって発症することがあります。

症状:吐き気・嘔吐・全身の倦怠感・食欲不振・発熱・黄疸・肝性脳症による意識障害

検査:血液検査・超音波検査

治療:肝性脳症への治療(ラクツロース投与・抗生剤投与・アミノレバン投与)・人工肝補助によって合併症を防ぎ、肝細胞を回復させる・ウイルスの種類が同定されていれば、抗ウイルス薬による治療も行う

慢性肝炎

慢性肝炎は、リンパ球などの免疫細胞が肝細胞にダメージを与え、慢性的に炎症が起きている状態を指して言われます。

急性肝炎同様、多くの場合ウイルスが原因です。潜伏しているウイルスを退治するため、リンパ球などの免疫細胞が肝細胞を攻撃することで、炎症が引き起こされます。

また、慢性肝炎は過度のアルコールや投薬によるダメージでも引き起こされます。

症状:全身の倦怠感・食欲不振・発熱・上腹部(みぞおち)の不快感・稀に黄疸 ※慢性肝疾患や肝硬変の合併症により、腹水や手掌紅斑、肝性脳症を発症することもある

検査:血液検査・超音波検査・肝生検

治療:ウイルスが原因の場合は抗ウイルス薬の投与、薬が原因ならば投薬の中止、お酒が原因なら飲酒を止めるなど、原因ごとの対処・免疫細胞の働きを抑制する薬を投与し、炎症を抑える

肝硬変

肝硬変は、肝臓に度重なるダメージが与えられることで、肝臓が硬く萎縮していく症状です。

硬化し続けると次第に肝機能も低下していき、最終的には動脈瘤破裂や肝性脳症、肝臓がんといった命の危険がある症状が現れるようになります。

肝臓はダメージを負って傷ができると、コラーゲン繊維を生成して傷を塞ぎ、徐々に傷を治していきます。

しかし、慢性肝炎などの症状に陥ると、コラーゲン繊維により傷を治す前に新しい傷ができ、次第にコラーゲン繊維によるコブが肝臓のいたる所に作られてしまいます。

これが肝硬変の原因であり、肝硬変の構造が変わることで血液が流れづらくなるため、肝機能の低下や動脈瘤の形成などの問題が現れるのです。

代償性肝硬変(肝硬変初期)の症状・・・手足、指がつる・手掌紅斑・蜘蛛状血管腫

症状:非代償性肝硬変(肝硬変末期)の症状・・・体のむくみ・腹部の膨満感(腹水)・皮膚のかゆみ・黄疸・腕を伸ばした際の震え・肝性脳症・女性の男性化または男性の女性化

検査:超音波検査・腹部CT検査・腹部MRI検査・内視鏡検査

代償性肝硬変の治療・・・原因であるウイルスなどの治療・食事療法(鉄分、塩分を控えたバランスのよい食事)・禁酒

非代償性肝硬変の治療・・・原因であるウイルスなどの治療・食事療法(塩分、糖質、タンパク質、脂肪の制限)・禁酒・合併症への治療・肝移植

肝臓がん

肝臓がんとは、肝臓にできる悪性腫瘍のことです。慢性肝炎から肝硬変を経て、肝臓がんを発症するというケースで発症します。

世間のイメージではアルコール性肝障害からこの肝臓がんになると思われがちですが、実際はウイルス性肝炎かほかの臓器からの転移がほとんどです。

がん治療の効果を現す「5年生存率」は、ステージⅠの状態でも約56%と、胃がんや大腸がんに比べて予後の悪いがんといえます。

再発率が高く、肝切除手術でも約半数の患者さんが5年以内に亡くなっていることからも、発症による危険性が分かります。

症状:腹部の膨満感(腹水)・黄疸・体のむくみ・全身の倦怠感・疲れやすい・食欲不振・発熱・便秘または下痢・貧血

検査:血液検査(腫瘍マーカー検査)・超音波検査・腹部CT検査・腹部MRI検査・肝生検

治療:手術療法・化学療法・放射線治療・局所穿刺療法・肝動脈塞栓術

アルコール性肝障害

アルコール性肝障害とは、毎日大量のお酒を飲み続けることで、肝機能が損なわれる障害です。

アルコールは体内にとって「毒」と認識され、飲酒することによって肝臓の解毒作用が働きます。そのため大量にお酒を飲むと、それだけ肝臓にとって大きな負担となるのです。

初期であれば脂肪肝などの症状が現れ、症状が進むとアルコール性肝炎から肝硬変へと移行する恐れがあるため、お酒をよく飲むという人は注意が必要なのです。

症状:脂肪肝の場合は無症状

※アルコール性肝炎に移行した場合、食欲不振・倦怠感・発熱・黄疸が現れる。

検査:血液検査(γ-GTP)・超音波検査・腹部CT検査

治療:禁酒・食生活改善・生活習慣改善

※アルコール性肝炎やアルコール性肝線維症の場合、禁酒と点滴での治療を行う。アルコール性の肝硬変が起きている場合は、通常の肝硬変に用いる治療法にアルコール代謝薬の処方も行う

閉塞性黄疸

閉塞性黄疸とは、胆管がなんらかの原因で詰まってしまうことで、本来腸に流れるはずの胆汁が血液へ逆流し、胆汁による黄疸が体に現れる症状です。

胆管を塞ぐ原因は主に「結石」「がん」の2つです。結石であった場合は、胆管中の胆汁を排出した後、結石を摘出・粉砕・溶解することで胆管の閉塞を解消します。

がんの場合は、手術療法や化学療法、放射線治療によってがん細胞の除去をします。手術療法をする場合、転移している可能性のある肝臓や胆嚢、胆管、リンパ節を一部切除することもあります。

黄疸の症状が長引くと「細菌性胆管炎」という命に関わる病に発展する場合があるため、黄疸による症状が診られる場合は速やかに治療を受けましょう。

症状:黄疸(目や皮膚が黄色くなる。体全体がかゆくなる。便が白くなり、尿が褐色になる)・疲労感・全身の倦怠感・発熱・かぜのような症状

検査:血液検査(GOT・GPT)・超音波検査・腹部CT検査・経静脈的胆道造影法・磁気共鳴胆道膵管造影法・内視鏡的逆行性胆管膵管造影法

胆石の治療・・・外科手術(開腹手術・腹腔鏡手術)・胆汁酸溶解療法・体外衝撃波粉砕療法・胆嚢摘出

がんの治療・・・手術療法・化学療法・放射線治療

※術前処置として手術療法の場合は胆道ドレナージと門脈塞栓術、化学療法や放射線治療の場合は胆道ドレナージと胆道ステントを行う場合がある

脂肪肝

脂肪肝とは、名前の通り肝臓にたくさんの脂肪がついている状態のことを指します。

肥満や糖尿病によってこうした脂肪肝が現れることもありますが、実際には痩せている人にも現れる場合もあります。

過度な飲酒や乱れた生活習慣、無理なダイエットによってこの脂肪肝となる人もいるので、太っていない人も注意が必要です。

脂肪肝の状態では自覚症状は現れませんが、放置すると肝臓へのダメージが蓄積し、脂肪性肝炎や肝硬変へと移行する場合もあります。

脂肪肝を診断された場合は、速やかに脂肪がついた状態を改善する必要があるでしょう。

症状:無症状(ただし、血行不良による疲れやすさ、肩こり、集中力の減退といった症状が現れる場合もある)

検査:血液検査(GPT・GOT・γ-GTP・ChE)・超音波検査・腹部CT検査・腹部MRI検査・肝生検

治療:食事療法・薬物療法・運動療法

心筋梗塞

心筋梗塞は、冠動脈が詰まることで心臓へ流れる血液が途絶え、心臓の筋肉が壊死を起こしてしまう症状です。

冠動脈が詰まってしまう原因は、血管内にコレステロールが溜まることです。糖尿病や脂質異常症により血管壁にたくさんのコレステロールが付着すると、血管内の幅が徐々に狭まってしまい、ついには動脈に流れる血液をせき止めてしまうのです。

また、糖尿病や脂質異常症が起っていると高血圧も現れます。高い血圧によって血管が傷つき、それを塞ぐために現れた血栓が冠動脈を塞いでしまう、冠動脈血栓症によって心筋梗塞が現れる場合もあります。

心筋梗塞は突然死の原因ともなる病です。何の前触れもなく突然発症し、その場で倒れてしまうことがあります。

処置が遅れると非常に危険であるため、リスクを避けるには日頃からの予防をすることが重要といえます。

症状:強烈な胸の痛み・息苦しさや呼吸困難・強い胸の圧迫感・動悸・吐き気・嘔吐・冷や汗・肩や背中、首への痛み・奥歯の痛み

※重度糖尿病患者や高齢者の場合、痛みが強く現れない場合もある

検査:血液検査・超音波検査・心電図・胸部CT検査・胸部X線検査・冠動脈造影検査・心筋シンチグラム検査・心臓核医学検査・カテーテル検査

治療:再灌流療法・血栓溶解療法・冠動脈インターベンション・薬物療法(ステント・硝酸薬・アスピリン内服薬)・数日間に渡って入院し絶食、鎮痛薬、安定薬、酸素吸入・治療後は生活習慣や食生活改善と心臓リハビリテーション

進行性筋ジストロフィー

進行性筋ジストロフィーは、別名で「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」とも呼ばれる、徐々に全身の筋力低下と萎縮が起こる病です。

体の筋肉は、何らかの運動により壊死と再生を繰り返すことで発達していきます。しかし、筋ジストロフィーは遺伝的に筋肉の壊死が活発に行われ、筋肉の再生が追いつかなくなってしまうのです。

また、筋ジストロフィーの症状の一つとして、筋肉の線維化が起こることが挙げられます。線維化した筋肉には柔軟性が失われ、関節の柔軟性も悪くなる関節拘縮(かんせつこうしゅく)が起こります。

筋力低下と関節拘縮により、運動機能に大きな障害が現れるのです。筋力の低下が進むと次第に歩行すらできなくなり、最終的には呼吸機能や心機能、消化管機能に大きな障害が現れます。

原因は染色体にある「ジストロフィン遺伝子」の欠損であり、染色体異常特有の特徴から、男性が重度となる確率が高いです。1~5歳に症状が見つかることが多く、早めの処置を行うことで症状の進行を抑えることができるでしょう。

症状:筋力低下(転びやすい・走ることやジャンプができない・階段昇降が困難・歩行時に左右に揺れる・立ち上がる時に床に両手をつけ、次に膝に手をつける、ガワーズ徴候と呼ばれる立ち方をする)・呼吸機能の低下・発音困難・咀嚼と嚥下の困難・眼球運動低下と表情の乏しさ・心不全・胃腸機能障害・中枢神経障害・眼症状・難聴・知的または発達障害・けいれん等

検査:血液検査(GPT・GOT・CK)

治療:対症療法(人工呼吸器・装具・リハビリテーション・心不全への薬物療法)

GOT値・GPT値を下げるには

重病かどうかは不明にしろ、これらの数値が高い場合は、少なくとも肝臓にダメージが与えられている状態にあるといえます。

病院で詳しい検査を受けて病気が見つからなかったとしても、生活習慣に乱れがあるのは確実。病気になる前に生活を改善する必要があります。

肝臓の数値を下げるために一番重要なのは、食生活です。

よく言われていることですが、脂っぽいものや高カロリーのものを摂りすぎると、肝臓に負担がかかります。

また、肝臓にはアルコールを分解する機能もあるため、お酒の飲みすぎもNGとされています。

そのため肝臓の数値を下げるためには、お酒を控え野菜を多く摂るようにしたり、昔ながらの和食中心にするなどが効果的。

これらと併せて、適度な運動を心がけたり、肝機能を回復させる成分を含んだサプリメントを摂ったりすれば、健康診断で引っかかることもなくなるはずです。

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