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ウイルス感染

日常生活のひょんなことから感染してしまうのが、ウイルス性肝機能障害です。このページでは、原因となるウイルスについてと、肝機能低下を改善するヒントを紹介します。

ウイルス性肝機能障害とは?

ウイルス性肝機能障害は、ウイルス感染により、肝炎や肝機能障害をもたらし、肝機能が低下している状態です。

種類には、水や食べ物を介して感染する「A型」、「E型」と、血液や体液を介して感染する「B型」、「C型」、「D型」があります。

特に、日本ではB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスが有名で、現在の日本のウイルス性肝炎についても、この2つが大部分を占めています。

B型肝炎ウイルス

B型肝炎ウイルスは、B型肝炎に感染している母親から出産時に子供に感染するケースが多かったのですが、今では母子感染予防対策が行われるようになり、感染を防げるようになりました。

そのほかの感染経路としては、輸血、集団予防接種での注射器の使いまわし、刺青の針の使いまわし、性的感染などがあります。

B型肝炎ウイルスが思春期以降に感染した場合は、一過性で終わることがほとんどです。急性肝炎を発症することはありますが、ほとんどの場合、回復します。

出産時や乳幼児期に感染した場合は持続感染となり、そのまま放置しておくと、思春期以降に肝炎を発症し、さらに慢性肝炎、肝硬変、肝がんを発症することもあります。

B型肝炎ウイルスには有効なワクチンがあるので、感染予防のために予防接種を受けることができます。

B型肝炎の治療方法は?

①B型肝炎と抗ウイルス治療

抗ウイルス治療は、文字通り薬剤の力でウイルスの増殖を抑えるための療法。方法は、注射薬と経口薬の2通りあります。

②B型肝炎の治療で使用される治療薬
  • インターフェロン(注射薬)
  • 風邪やインフルエンザウイルスに対抗するために生成されたタンパク質を抽出して作られたものです。抗ウイルス作用・免疫力UPの効果があり、B型肝炎ウイルスの動きを抑制してくれます。ただし、投与後は発熱・頭痛・下痢と言った風邪に近いような症状が現れます。回数を重ねるごとに、症状が重くなるため周囲の協力は欠かせません。

  • 核酸アナログ製剤
  • 文字通りの代物で、B型肝炎ウイルス遺伝子を合成している核酸に作用します。核酸の合成を阻害して、ウイルスを増殖させるのを防いでくれます。
    気になる副作用症状は現れる確率が低めで、得られる治療効果は高めです。しかし、長期間服用し続ける必要があります。飲み続けることによって、経口薬に耐性を持つウイルスが誕生する可能性もありえます。

上記の療法は、ウイルス増殖を抑えるだけでなく、体にも影響をもたらします。肝臓や全身の状態を把握した上で、どれが適切な治療法か医師と十分に相談しましょう。

C型肝炎ウイルス

C型肝炎ウイルスは輸血によって感染する例が多く、社会問題にもなりました。しかし、現在では対策が取られているため、輸血による感染はなくなったと言っていいでしょう。

そのほかの感染経路として、覚せい剤などの注射の回し打ち、入れ墨・ピアスなどの針の使いまわしが、主な原因になっています。

C型肝炎ウイルスの場合、感染するとほとんどがそのまま持続感染となり、その後は慢性肝炎を発症します。しばらく経ってから、肝硬変、肝臓がんに進行する場合もあります。

日本の肝臓がん患者の70%は、C型肝炎ウイルスの感染者です。そして、残念ながら今のところ、C型肝炎ウイルスに有効なワクチンはありません。

感染を防ぐために

B型肝炎ウイルスもC型肝炎ウイルスも、現在は検査が徹底しており、医療行為で感染することはありません。

現在では定期検診などの際に、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの検査を受けることができます。一度も検査を受けたことがない人は、受診することをオススメします。

また、感染しないためにも、日常生活において以下のことに気をつけましょう。

  • 他人の歯ブラシやカミソリを使用しない。
  • 感染した人の血液や分泌物に触れない。触ってしまった場合は、流水でしっかりと洗い流す。
  • 感染者の服などを洗濯する場合は、漂白剤につけてから、しっかり洗い流す。他の人の服と一緒に洗濯しない。
  • B型肝炎ウイルスの予防接種を受ける。

ウイルス性肝機能障害を正しく理解して、感染を防ぐようにしましょう!

C型肝炎の治療を放置するとどなる?

①治療の放置で発症リスクが高まる病気
  • 肝硬変
  • 適切な治療を受けてこなかった場合に発症する症状。発症メカニズムとして、肝臓が長期間の炎症によって細胞の破壊と再生を繰り返し続けたことで細胞の間に線維が生じ、臓器を硬質化してしまうのです。肝硬変を発症させれば、肝がんへの移行リスクが高まるばかりか、生命を脅かす重大な合併症状を引き起こします。

  • 肝がん
  • 肝がんの発生源は、炎症の持続により線維化が進展した肝部分です。肝がん自体には、初期の自覚症状や特有の症状がないので、発見時は末期となっているケースがほとんどです。肝硬変に伴う症状として、黄疸や腹水、むくみなどが現れます。

②肝硬変や肝がんと共に発症する合併症
  • 食道静脈瘤の破裂
  • 線維化によって、引き起こされる症状です。肝臓内の血液の流れが悪くなったことで血流は肝臓を迂回し、食道の静脈に流れ込みます。症状が悪化すると、食道がん発症や、血管破裂により下血・吐血の症状を引き起こします。

  • 肝性脳症
  • 肝臓で分解されなかったアンモニアが脳に蓄積されることで引き起こす症状。脳機能を著しく低下させ、異常行動や昏睡と言った症状が現れます。

どの症状も生活への支障、生命の危機に瀕する症状ばかりです。初期症状が乏しい分、気がつかないうちに体を蝕み続けるので、健康診断で早期発見に努めるべきです。

C型肝炎と抗ウイルス治療

C型肝炎の治療でも、B型と同様に注射薬と経口薬の2種が用いられることが多いです。

①C型肝炎の治療で使用される治療薬
  • インターフェロン(注射治療)
  • B型同様、風邪やインフルエンザウイルスに対抗するたんぱく質を体内から抽出したものを利用します。投薬後1週間ほどで風邪に似た副作用症状が現れますが、ウイルスを全体の30%から40%程排除できます。年齢は50代以下で、肝臓の線維化が軽めなら、高い治療効果が現れます。

  • リバビリン
  • リバビリンがC型肝炎に作用するメカニズムは詳しく解明されていません。一説では、ウイルスの核酸に作用してウイルスを合成するのを阻害する、あるいは、体内の免疫機構を調節するとも言われています。
    単品で使用するよりは、ペグインターフェロンという薬剤と併用すると高い治療効果がもたらされます。

  • 直接作用型抗ウイルス薬(DAA)
  • 直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は、文字通りの効果を発揮します。肝細胞内に潜むC型肝炎ウイルスが合成するのに必要な酵素の働きを抑えてくれます。しかも、副作用の症状が現れにくいので、事情によりで抗ウイルス治療が受けられなかった人でも安心して利用できます。

体質の問題で、インターフェスが利用できない患者でも、気軽に抗ウイルス治療が受けられる薬剤があるのはありがたいものです。体質的に、どの治療法がピッタリなのか担当医師と十分に相談をするのが望ましいです。

B型肝炎・C型肝炎の検査方法

B型肝炎・C型肝炎に罹患しているかを調べるには、「肝臓の検査の流れ」にも記載している血液検査で調べることができます。

GOTとGPTの数値で判断される

B型肝炎・C型肝炎の検査で主に調べられるのは、GOTまたはGPTの値です。このGOT・GPTは、ともに肝臓内にある酵素です。

肝臓の細胞が破壊されると、血中にこの酵素が放出されてしまいます。どちらの数値も高ければ高いほど、肝臓にダメージが与えられていると判断できます

GOT・GPTの正常値は11~40IU/Lです。40IU/L以上100IU/L以下の場合、通常の健康診断では脂肪肝だと判断されるでしょう。

B型肝炎・C型肝炎に罹った場合、100IU/L~300IU/L以上にまで上昇します

重度になると、500IU/L~1000IU/Lまで上昇し、急性肝炎などの危険な症状が現れる可能性があります。

過去に一度B型肝炎・C型肝炎の治療を受けた人が、GOTやGPTの値が高い場合も注意が必要です。

100IU/L~500IU/Lの場合、ウイルスを治療しきれず慢性肝炎になっている可能性があるため、病院でのインターフェロン治療で確実にウイルスを根絶させましょう。

肝炎ウイルス検査

B型肝炎とC型肝炎の検査

B型肝炎とC型肝炎は、血液検査で「抗体」「抗原」が検出されたかどうかで主に判断されます。

抗体とは、免疫細胞が作り出す病原体を攻撃する物質で、抗原はその抗体の元となる、ウイルスが持つタンパク質のことです。

血液中にこの抗体・抗原が検出できれば、体内にウイルスがいるという証拠となるわけです。

【B型肝炎の検査項目】

  • HBs抗原
  • HBs抗体
  • HBe抗原
  • HBe抗体
  • HBc抗体
  • IgM-HBc抗体
  • HBV-DNA

B型肝炎の検査は、初めにHBs抗原の検査を行います。陰性だった場合は感染していないと判断されますが、陽性だった場合、感染の状況を調べるため各種項目の検査へと移行します

【C型肝炎の検査項目】

  • HCV抗体
  • HCV-RNA検査

C型肝炎の検査では、初めにHCV抗体検査を行います。

陰性だった場合はウイルスに感染していないと診断されますが、陽性だった場合、感染しているかをより詳しく調べるため、HCV-RNA検査を行います

HCV-RNA検査で陽性だと判断された場合、またはHCV抗体検査で高力価(抗体の量が多い)だと判定された場合、C型肝炎に罹っていると診断されます。

検査の流れ

  1. 肝炎ウイルス検査を実施している病院・医療機関へ連絡し、予約を入れる
  2. 予約日に医療機関へ向かい、血液検査を受ける
  3. 1~2週間後、結果を受け取る

結果が陰性だった場合:特になにもしなくてもよい。何らかの自覚症状があるなら、再検査を予約する

結果が陽性だった場合:精密検査を行う。その結果も陽性だった場合、インターフェロンなどの薬物療法か、保存療法での治療することになる

検査はどこで受けられる?

一般的に検査が受けられるのは、内科または消化器内科です。

現在では数多くの医療機関で検査が受けられるので、インターネットなどで検索すればすぐに検査を行っている病院を見つけ出せます。

また、保健所や一部医療機関では無料で検査を行っているため、検査費用が心配だという人は検査費が無料のところを調べてみてもよいでしょう。

ウイルス性肝炎検査は定期的に受けるべき?

一般的にB型肝炎・C型肝炎は一度検査を受ければ再度受ける必要はありません。しかし最近では、性交渉によって感染する「ジェノタイプA型」B型肝炎ウイルスが若者を中心に感染拡大しているため、不特定の人と性交渉をしたことがある人は定期検査を受ける必要があるでしょう。

肝炎に感染していないかセルフチェック

■B型肝炎・C型肝炎の初期症状

  • B型肝炎の初期症状・・・倦怠感・吐き気・嘔吐・食欲不振・黄疸
  • C型肝炎の初期症状・・・軽度の倦怠感・軽度の食欲不振

B型肝炎は体の明確な不調が現れるため、病院で診察を受けた時、血液検査から発覚することがあります。

しかし、C型肝炎の場合は症状が軽度であるため、単なる体調不良だと思い込み、発覚が遅れる可能性もあるのです。

どちらの症状も放置すると重症化する恐れがあるため、早期発見と治療が重要となります。

ウイルス性肝炎セルフチェック

以下の項目に一つでも当てはまる人は、自覚症状がなくても一度検査を受けましょう。

  • 長期的に血液透析を受けている
  • 過去に非加熱血液製剤を投与されたことがある
  • フィブリノゲン製剤(フィブリン糊も含む)を投与されたことがある
  • 輸血を受けたことがある
  • 臓器移植を受けたことがある
  • タトゥーやボディーピアスを施したことがある
  • 薬物注射の回し打ちをしたことがある
  • B型肝炎になった人と性交渉をしたことがある
  • 健康診断などで肝機能の異常を指摘されたが、B型肝炎やC型肝炎の検査を受けていない
  • 一度もB型肝炎やC型肝炎の検査を受けたことがない
 
本当に怖い肝機能障害の対策ガイド